劇の幕開けから十数年、一旦幕は下ろされて。
何事も無く人々が暮らす、 かつて数々の思惑が交錯した北のとある田舎町に、 ねこのなきごえが再び響き、 別の演者によって幕間劇が演じられる。
新設の私立校、麗種(れいしゅ)中学に通う少年、 因八(よしや)カイリは、 特異な同級生や教師達に囲まれながら日々を過ごしていた。 が、二年生の夏休みの終わり、 町で起きたある事件を皮切りに、 彼の意志とは無関係に周囲がさざめき立つ。 その落ち着かぬざわざわとした空気の中、 疎遠になっていた女子生徒、 金城華(きんじょうはな)との交流が再び始まった。 心の内に沸き立つ感情、 それは恋心なのか?
ウタは魔法、ねこは朋。
はじまりのオト、 或るファの音眼(おとめ)。
喚起のうたはかけらとなって散蒔(ばらま)かれ──


