「新しい出会い、あると思ったんだけどなぁ……」
春から進学し、新たな環境で新たな出会いに期待をしていた元宮遙人(もとみやはると)だったが、
12月を迎えた今となっても、一向に女子にアプローチ出来ないことをからかわれるどころか、
周りの友人たちは次々に恋のパートナーを見つけてゆく。
そんな焦りの中、同じく恋人のいない友人に誘われ、
しぶしぶ駅前へナンパに向かおうとした、夕暮れの教室。
そこで遙人は、女子に押し倒されていた。
「わ、わたしと、恋人同士になって、くれませんか……?」
本来なら「はいよろこんで!」と応えるべきところだが、
相手は1つ年上の幼馴染で、しかも最近まで避けられていた相手。
頭の上に浮かぶ無数の「ハテナ」。
――それをかき消したのは、唇に触れた柔らかな感触だった。

