その街は都会の片隅にあった。
駅前には中途半端な高層ビルが立ち並び、
少し離れれば閑静な住宅街が広がる、
ベットタウンとでも称されるようなありふれた街。
そんなどこにでもあるような、ありふれた「街」で、
二人の物語は始まる。
ある事故がきっかけで、「ひとり」で生きていく事を余儀なくされた少女―
ある事故がきっかけで、「ひとり」で生きていく事を選択した青年―
大人と少女―
叔父と姪―
何もかも立場が違う二人が出会い、一つ屋根の下で暮らす事になった。
日々を過ごす中で、やがて、二人は互いに惹かれあっていく。
だが互いの「傷」に阻まれ、その距離はなかなか縮まらない。
身体は触れ合っていても、交じり合えない心。
癒しきれない傷を抱える、叔父と姪の二人が織り成す物語。